未来へのフラッシュバック
フラッシュバック (flashback) とは、強いトラウマ体験(心的外傷)を受けた場合に、後になってその記憶が、突然かつ非常に鮮明に思い出されたり、同様に夢に見たりする現象。心的外傷後ストレス障害(PTSD)や急性ストレス障害の特徴的な症状のうちの1つである。
大なり小なりあれど、フラッシュバックをしたことがない人間はいないだろう。
「なんであんなことを言ってしまったんだろう」
とか
「鉄棒が得意だったけど よく慣れた技をなめてかかり 後ろ向きに頭から落ちた」結果、「得意が苦手になっちゃった」
とか。
そういったものが抑えきれず、脳みそを駆け巡る瞬間が、長い人生、人間だれしも経験することだと思う。
御多分に漏れず、かくいう私もそういったトラウマによるフラッシュバックはかなり多い。特に友達と長話をしたあと。鼻持ちならない態度を示した自分が鮮明に蘇る。それを打ち消すため、変な声を出してみたり、変な行動をしたりする。それがさらに別の後悔となり…ということが多々ある。
なぜこんな話をしたかというと、
フラッシュバックは過去ではなく未来に向けても起こる
ということを話したかったからである。
もちろん、
「それってあなたの感想ですよね」
と言われたらそこまでなのだが、なんとなく文章にしてみたかったのと、
「みんなにもそういう経験あるよね?」
という共感を得たかった、というのもある。
(あとは、『未来へのフラッシュバック』というタイトルが、いかにもなSF小説のタイトルっぽくて気に入ったから、という理由も低くない位置を占めている。)
僕が「未来へのフラッシュバック」を経験しがちなのは、自転車に乗っているとき。
なにかひょんなことが起こって、自転車が電柱に激突し、前歯が全部折れてしまう、といった描像が、頭に鮮明に「フラッシュ」するときがある。
あるいは、なにか鋭いものを見たとき。それが僕の眼球にささり、鮮血が迸るさまをついつい想像してしまう。
こんな経験、皆さんにはありますか?
これはフラッシュ"バック"というよりも、フラッシュ"フロント"といったほうがいいかもしれない。
これはたぶん、最悪の未来を想像することによって、それを避けようとするなにかしらの防衛機構のようなものが働いているのだとも考えられる。なんか本当にSF小説に出てくる未来予知みたいだ。
というわけで、誰か「フラッシュフロント」という題名で、短編のSF小説を書いてみてください。これだけだときっとつまらないだろうから、なにかしらのエッセンスを添えて。